いわゆる"自律型人材育成"を目指すのは適切か?

2010年12月31日(第74号)


QOL向上のヒント
〜 社会ニーズ/ウォンツに応える自己実現 を!〜


問題解決力と学習能力を高める「フレームワーク質問力」研修、リーダーシップ開発を支援する「メタ・コーチング」で、「人財と組織の育成を支援」する 合同会社5W1H

代表 高野 潤一郎 [ 博士(先端科学技術) ]





こんにちは、合同会社5W1H代表の高野潤一郎です。


先日、企業の研修担当の方(Mさん)のお話に、「自律型人材育成」といった表現が出てきた際に、

人によって、同じ「自律型人材」という言葉を用いても、異なる意味で用いられている場合があるので、

ここでおっしゃっている「自律型人材」はどんな方のことを指しているのか、具体的なイメージをお教えいただけませんか?

と確認したことがありました。


いろいろ定義を聴かせていただいたのですが、結局のところ、Mさんの会社で考えていらっしゃる「自律型人材」というのは、

「指示や命令を待つのではなく、自分でいろいろ主体的に考えて行動する社員」

のことを指しているらしいということがわかりました。
(※人や組織によって、定義が異なりますので、ご注意ください。)


そこで私は、

「パラドクス」…正しそうに見える前提と、妥当に見える推論から受け入れがたい結論が得られること。日本語としては、しばしば、逆説と訳される。

を感じたので、さらに自分の理解が間違っていないか、次のように確認を進めてみました。

(ここでは、「Mさんの会社の人材育成担当部署」を「M」と略し、「企業研修の対象と想定している社員」を「社員」と略すことにいたします。)


Mは、企業研修を通して、「社員を育成」しようと計画している。
Mは、「研修受講後の社員が、主体的な行動を取ること」を欲する。

→Mは、社員がMの期待に応えることを欲している。

→Mは、Mが欲するからではなく、社員が自ら、社員の意志で、主体的な行動を取って欲しいと考えている。
 
…社員が、単に、指示や命令以外の行動を取るだけではなく、社員自らが望んだために(←理由)、その行動を取るという状況が常態化することを、Mが欲している。

 ↓

「Mが欲したから、指示や命令以外の行動を取る」のでは、社員が「主体的な行動」を起こしたとは言えない!

  &

社員の主体的な行動とは、「Mが望んだわけではないことを、社員が望んで行うこと」である!


という内容に、氣づかれていますか?

私の理解は間違っていませんか?


(この辺りの話で、Mさんの表情が、意外・理解不能といったものから、ハッと、何かに氣づかれたとも取れる表情に変わっていきました。)


私は...

トップダウンで、あるいは会社の仕組みやルールとして、例えば、「指示や命令をしていない事柄について、週に3つ取り組む!」などと決めてしまうならば、

社員に、強制的に、「指示や命令をしていない行動」を取らせることはできるようになると思います。


しかし、それは、Mさんや会社が、本当に望まれている状態(会社の在り方、望ましい仕事のされ方)なのでしょうか?


それとも、Mさんや会社が意識されているのは、社員が仕事に取り組む姿勢が変わることなど、他の事柄なのでしょうか?


御社が企業研修を通じて、育てたいとお考えになっている人財像について、もう少し、具体的なお話を聴かせてください。


などと、相手の意図や意識のフレームについて、確認を重ねました。

…最近では、人財育成コンサルティングなども始めましたので、こんな会話も生じるようになってきました。


※相手の意図やフレーム(物事の解釈の仕方、切り口)などについて意識しながらコミュニケーションを図ることに関心をお持ちの方は、例えば、前号のニューズレターでもご紹介した、

NLPフレーム・チェンジ
アブダクション―仮説と発見の論理

 などを、ご参照になることをお勧めしたいと思います。




※別の見方をすれば、上記でご紹介したような話の進め方は、弊社の「フレームワーク質問力」の実践例となっています。


■ コミュニケーション能力と学習能力、問題解決やイノベーションに至る思考法を同時に身につける「フレームワーク質問力」の総論には、基礎編と上級編があります。


●基礎編 =>「質問力 Basic」

コミュニケーション時のマインドセット、質問フレーズの体系、質問フレーズの選び方のポイントについて学び、実践演習とフィードバックを実施。

対人スキルとクリティカル・シンキングの両方が同時に学べるセミナー。

詳細は、こちらから


●上級編 =>「質問力 Advanced」

同じ出来事でも人によって異なる解釈が生まれる理由、話を平行線で終わらせないための方法を学ぶ。

参加者の問題解決に向け、話の構造や相手のフレーム(モノの見方)を意識した会話で、質問力を発揮する演習を実施。

詳細は、こちらから


ピン!と来た方は、是非、チェックしてみてください♪




結局、Mさんの会社において求める人材像、研修方針は、よく見聞きする「自律型人材育成」などとは似ても似つかない表現になりました。

(具体的な表現をご紹介して企業名が明らかになることは、Mさんは望まれませんでしたので、ここでは公表を差し控えさせていただきます。)


私たちは、普段から、お互いに、わかったつもりでコミュニケーションを図りがちですが、

大切な事柄に関しては、このように、関係者の間で、具体化・詳細化・言語化を進める過程で、意図やフレームを確認するということお薦めしたいと考えております。



アンパッキング(Unpacking)したら...こんなことに驚かれました!(2010年11月21日配信)

では、私がメタ・コーチングを進める際に、「クライアントから提示された問題の再設定・テーマの差し戻しを行う」という話を、ご紹介していましたが、

やはり、上記のような人財育成コンサルティングの場面でも、Mさんから最初に相談されたまま、「自律型人材育成に役立ちそうな企業研修の提案」をしていては、

Mさんの会社にとっても弊社にとっても、Mさんの会社の社員のみなさんにとっても、望ましい結果は得られなかっただろうと思います。


これは、「相談者から与えられたフレームの中にいる限り、表面的な問題の解決(第1次変化)は起こせても、

本質的な問題は解決せずに(第2次変化は起こさずに)、形を変えて繰り返し問題が出現する」という例ですね。

※第1次変化、第2次変化についての詳細は、書籍「メタ・コーチング」の第11、12章でご確認ください。



もしあなたの所属している組織の研修で、「自律型人材」といった表現が出てきたら、今回のような話を確認なさってみてください。

きっと、より適切な企業研修を実施するのに役立つヒントが登場すると思います。


それでは、また次回のニューズレターでお会いしましょう♪

2010年に引き続き、2011年もみなさまにとって実りの多い年でありますよう、祈念しております!


高野潤一郎@合同会社5W1H

P.S.

2011年をスムーズなスタートで始めるためにも、忘れない内に、下記のお申し込みをお済ませください。


●2011年1月6日(木)にスタートする、次期MOSでは、「エビデンス・ベースト・コーチング」(証拠に基づいて進めるコーチング)の書籍を扱います。

MOSは、すべての回に参加されなくても大丈夫です。

欠席回の配布資料は、PDFファイルにて共有されますし、MOSメンバーどうしで、学習をフォローし合います。

(初回までにテキストの入手が間に合わない方には、該当範囲の資料をメールでお送りいたします。)


●現在開催中のC研につきましても、無料見学および途中参加を受け付けます。

現在、第1期の途中ですが、1月から、ちょうど新しいテキスト

「Leading Leaders:How to Manage Smart, Talented, Rich, And Powerful People」

に代わる、良いタイミングでもあります。

ご希望の方は、こちらから、「C研の見学/参加について」といった件名で、お氣軽にお問い合わせください。


●C研は、第2期のお申し込みも受け付けております。

使用テキストなどの詳細は、こちらからご確認いただけます。

ご興味をお持ちの方は、是非、チェックしてみてください♪


●「メタ・クイック」には、C研で扱った、「コーチングのROI(投資収益率)」に関する資料(10論文+追加1論文)をポストしておきました。ご興味をお持ちの方は、こちらもご活用ください♪




【 facebook のグループの件 】



2010年10月20日以降、非公開(グループのメンバーだけに内容が公開される形)となった「メタ・クイック」のご紹介です。


メタ・クイックは、"質問力"、"メタ・コーチング"、"フレーム・チェンジ"、"システム思考"、"問題解決"、"創造性"、"イノベーション"などに興味を持つ人々のためのコミュニティです。


このコミュニティは、

---"イベント告知"(上述のテーマに関連するワークショップ、セミナー、交流会など)

---"質問と回答のやりとり"(コーチングを企業導入する際の悩み、効果的な質問、質問する際のマインドセットやスキルの改善、コーチングとコンサルティングの複合サービスなど)

---"組織・研修会社・教育研究機関などが協働するケース・スタディの実現に向けた情報交換"

の掲示板として、自由にご利用いただけます。


引き続き、みなさまの参加を歓迎いたします。



【5W1H最新のお知らせ】



■勉強熱心なあなたなら、質問フレーズはたくさんご存知! では、どういう視点に基づいて、最適な質問を選ぶのか? 【 質問力 Basic 】で大切にしているポイントです!


フレームワーク質問力」という体系の、「総論」「基礎」に相当するのがこのセミナーの内容です。

さまざまな「各論」「応用」に進む前に、「質問力 Basic」の内容を押さえておいてください。

2011年1月25日(火)@東京
2011年2月05日(土)@東京
質問力 Basic



■質問力 Advanced

感情を持った生身の人間を目の前にした、リアルタイムで進むコミュニケーションの場面で、

あなたは「相手のフレームを検出」して、適切に「質問力」を発揮されていますか?

2011年2月19日(土)@東京
質問力 Advanced




■リーダー、コーチ、コンサルタント向け「変化促進研究会」

〜「人や組織の学習と変化」をテーマとした、各種英文テキストの事前学習が前提の、ディスカッション形式の研究会〜

第5回/全8回:1月11日(火)
変化促進研究会

※既に第4回目まで終了しておりますが、新テキストになる5回目からの途中参加も可能です。ご希望の方は、こちらからお申し込みください。



■コーチング演習パートナーシップ(CPP
〜 実践 → 分析 → 改善 で 実力の向上を図る 〜

月に1回、4ヶ月に渡って、5つのコーチング・スキルの演習を協力し合うパートナーシップのご案内です。

2011年1月29日(土)〜 全4回
コーチング演習パートナーシップ



■「メタ・コーチングの体験」と「お見積もり作成」がセットになった、『スナップショット・セッション』


コーチング利用のリスクや R O I (投資するエネルギーや時間に対して、期待される価値や利益) に関心をお持ちのあなたへ

スナップショット・セッションは、

1. 現状・課題の把握を中心とするセッションを体験(約60分)
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という流れで、進みます。

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また、日程調整の上で、個人やグループ向けに、メタ・コーチングをご紹介する、紹介セッションの開催もお受けできるようにいたしました!

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■世界水準のコーチング&周辺領域を学ぶ会員制勉強会


●メタ・コーチングおよび周辺領域の勉強会:MOS

2011年1月6日(木)スタート  MOS第6期(全14回)

詳細は、こちらからご覧ください!(見学随時可能、途中参加可能です。)





■ お願い ■

このニューズレターは、

 【 知る人ぞ知る、Change of Pace のメール 】

にしたいと思っています。


つまり、普段の生活からちょっと離れて、

・長期的な視点からモノを考えること
・部分だけでなく全体についても考えること
・出来事に振り回されず、本質を見極めようと時間を取ること

のお役に立ちたいと思っています。

…人によっては、「考え過ぎず、すぐに行動を起こすこと、得られる結果がよりよいものになるよう行動に修正を加えること」が大切な場合もあると思います。


もし、このメール情報が、「意識や行動をより望ましいものに変えるきっかけとなるのに役立つなぁ」、「QOLを向上させるのに役立つなぁ」と感じていただけた場合には、お知り合い、お友達などに転送していただけると幸いです!

          ↓
短く伝えたい場合には、この点線内をご利用ください!

問題解決力と学習能力を高める「フレームワーク質問力」研修、リーダーシップ開発を支援する「メタ・コーチング」で、「人財と組織の育成を支援」する 合同会社5W1H の

ニューズレター【 QOL向上のヒント 】
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[参考情報]
・著作者人格権の侵害に関しては、著作権法18〜20条
・著作権の侵害に関しては、著作権法21〜28条
・差し止め請求権に関しては、著作権法112条1項
・損害賠償請求権に関しては、民法709条
・著作権侵害の場合の刑事罰に関しては著作権法119〜124条


あなたと似ている部分を持った人々に、あなたの大切な人々に弊社ニューズレター【 QOL向上のヒント 】を広めていただけると嬉しいです!




■発行・編集

高野 潤一郎

合同会社 5W1H 代表
国際ニューロ・セマンティクス協会&メタ・コーチ財団認定メタ・コーチ



【 フレームワーク質問力 】は、弊社登録商標です。

【 メタ・コーチング 】は、The International Society of Neuro-Semantics と合同会社5W1H の共同出願登録商標です。




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