「質問力」が今まで以上に重要視される時代
人々の移動が短時間化・長距離化し、グローバル・ビジネスが勢いを増し、インターネットの普及やモバイル端末の普及などによって、情報化社会、知識(資本主義)社会、知価社会、ユビキタス社会に移行しつつあると言われています。
これからの時代、情報や知識はどの程度大切なのでしょう?
例えば、激動の近代日本を導いた独立自尊の人、福沢諭吉(1834〜1901年)について知ろうと「福翁自伝」などを読むと、当時の情報入手の大変さについて知ることができます。
何か必要な情報・知識を手に入れようとすれば、日本中を徒歩で移動して人に教えを請い、外国事情を知るとなれば、命がけで船に乗り込み、浦賀〜サンフランシスコ間を37日かけて移動するなど、大変な時間と手間が必要でした。
現在の日本人の平均寿命を約80歳だとすると、福沢諭吉の活躍していた時代というのは、われわれとは縁もゆかりもない大昔ということではなくて、ほんの2代くらい前の人々が活躍していた時代だということに気づきます!
ところが現在では、知りたい事柄のキーワードをインターネットで検索すれば、たちどころに山のような情報を得ることができるようになっています。
情報自体、知識自体には非常に多くの人が容易にアクセス可能になり、情報獲得コストは大幅に低減しました。
すなわち、情報や知識は誰でも持っているし、入手しようと思えば比較的簡単に手に入れることができる時代になってきたわけで、情報や知識の希少価値というのは、以前と比べるとずっと下がってきています。
そういうふうに考えると、これからは【情報・知識の「獲得」よりも、情報・知識の「実践」の方が、ずっと価値のある時代】だと言えるでしょう。
何を尋ねても相手はすでにそれについて知っているか、すぐに情報を検索できるわけですから、情報や知識をいかに多く持っているかということよりも、【情報や知識を活かして行動できるかどうかが、その人の評価や価値を高める時代】になってきているということです。
【すぐに行動できるかどうか、いかに先送りを克服するか、いかにモチベーションを高めて維持するか、いかにすばやく適切に判断するか…】そういった点がますます重要になってきています。
もうひとつ、情報の質についても私の考えをご紹介しましょう。
誰もが簡単に情報発信できるようになったということもあり、現在の世の中に情報が氾濫しているという認識についてはどなたも反対なさらないでしょう。
その結果として、情報全体の質の低下が顕著になってきており、【情報を選んだり捨てたりすることが大切な時代】だという認識が広まってきています。
ですから、【有効・有益な行動に活かすための情報や知識を、どうやって選び取り、その情報や知識をどうやって活用することで、望ましい結果・成果・感情を手に入れるのか?】という視点が、かつてないほど重要になってきていると言えるでしょう。
つまり、【行動につながる思考力や判断力をどう身につけるか】が重要だということです。
ここまで、「これからの時代、情報や知識はどの程度大切なのでしょう?」という質問から始めて、情報量の話、情報獲得コストの話、情報の質の話を通して、【モチベーションの向上・維持】や【思考力の向上】の重要性をご紹介してきました。
では、われわれはこれからの時代、どうやってモチベーションや思考力を高めていけばいいのでしょうか?
モチベーション(やる氣)、すなわち感情に大きく関係する事柄に、成功者といわれる人々がうまく使っているとご紹介した「自分自身に対する質問」というのがあります。
また、思考とは「質問を考え出し、その質問に答えること」であるとも定義できます。
…両方に共通するのは、「質問力」です!
私は、コミュニケーション力(理解を深めて誤解をなくす, 積極的に関係性を深める, 議論を深める, 複雑な事柄を整理して単純にする, 人を動かす…etc.)、柔軟な発想力、コンセプト力、説明力・説得力、発言力・コメント力、問題発見力・問題設定力・問題解決力…など、今後、強く求められることになる能力やスキルの根底には、思考力、つまり、質問力があると考えています。
そして、【QOL(Quality Of Life, 人生の質)を高める】ために、「質問力」を大いに活用していくことが、これからの時代、必須ではないかと考えています。

